ウェルスナビはロボットがひとりひとりに合った資産運用してくれますが、ロボットは実際どんなものに投資をしているのでしょうか?
こんなお悩みに答えます。
この記事の内容
- ウェルスナビは7つの資産に投資をする
- 指数連動型ETF
- リターン追求資産、守りの安全資産がある
ウェルスナビは入金さえ行えば自動で資産運用してくれるアプリです。しかし、ずっと何も知らないまま運用をお任せするだけでは勿体ないですよね。
今回はウェルスナビが投資している上場投資信託(ETF)を紹介していきます。
ウェルスナビが投資しているのは上場投資信託(ETF)
ウェルスナビは全自動で国際分散投資を行うサービスです。
厳選した6~7つのETF(上場投資信託)を通じ 、約50か国1万1000銘柄に投資しています。
ETFとは「Exchange Traded Funds」の略で「上場投資信託」と呼ばれています。
数ある上場投資信託(ETF)の中でも手数料の安いものを選好
上場投資信託(ETF)は世界各国に無数の商品があります。
ウェルスナビでは、その中でも最安クラスで運用できる、指数連動型の上場投資信託(ETF)をチョイスしています。
例えば株式指数連動の場合はTOPIXや日経平均株価が有名です。指数に連動するということは、指数を計算するために構成される銘柄を全て保有することになります。
また、資産運用のプロが手掛けるアクティブファンドとは違い、指数に沿って機械的に売買を行うだけのETFですから、手数料も安く提供できるのです。結果、プロの運用成績を上回り続けています。
ウェルスナビの長期・分散・積立のコンセプトに適っている商品です。
ウェルスナビが投資している7銘柄を解説
ウェルスナビが投資している銘柄は全部で7種類あります。
- VTI(米国株式)
- VEA(先進国米国除く)
- VWO(新興国株式)
- AGG(米国債券)
- GLD(ゴールド)
- IYR(米国不動産)
- TIP(物価連動債券)
選んだリスク許容度に応じて、これらの銘柄の保有割合を変える仕組みになっています。
ウェルスナビの7つの投資対象は、時々に応じて価格が上下します。この価格の上下の幅をどの程度まで受け入れる事ができるかの設定をリスク許容度といいます。
リスク許容度は1〜5の5段階の中から選ぶ事ができ、数字が大きいほど価格の上下が大きくなる組み合わせになります。リスクが高い選択を行うほど、長期運用におけるリターンは高くなる傾向にあります。
それでは、それぞれの銘柄について順番に紹介していきます。
米国株(VTI)

米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした銘柄です。
米国株式市場を正確に表し、同国の経済成長をもれなく受け取ることができます。
ウェルスナビの中で主力の銘柄で、これがなくては始まらないほど重要なETFです。
VTI:5年間のチャート
チャートも綺麗に右肩上がりを描いていますね!3000以上の株式が詰まっていますので安定したリターンが期待できます。
VTI:詳細情報
名称 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
運用会社 | ザ・バンガード・グループInc. |
分配金 | 3月、6月、9月、12月 |
信託報酬手数料 | 年0.03%(20年7月現在) |
運用会社のバンガードグループは指数連動型ETFを初めて作った会社ですごく有名な企業です。
VTI:パフォーマンス実績
(%) | 年初来 | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
VTI | -20.89 | -9.26 | 3.99 | 5.74 | 10.15 |
市場平均 | -20.85 | -9.22 | 4.00 | 5.73 | 10.16 |
米国市場全体を保有しますから、市場平均とほぼ同じリターンですね。年率約10%のリターンが期待できます。
日欧株(VEA)

インターナショナルに分散投資する銘柄です。
カナダ、欧州地域の先進国市場、および太平洋地域の先進国市場に投資します。日欧株と表記されていますが『米国を除いた先進国』と押さえておきましょう。
主な投資対象国は、日本、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、スイス、オーストラリアなどです。各国の大型株・中型株・小型株約3,700銘柄に分散しています。
ネスレやサムスン電子などの聞き馴染みのありますね。その他には、ルイヴィトンやコロナワクチンのアストラゼネカなどの企業も含んでいます。
VEA:5年間のチャート
株価はVTIよりも停滞していますが、配当を多く出す企業が多い印象です。
VEA:詳細情報
名称 | バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF |
運用会社 | ザ・バンガード・グループInc. |
分配金 | 3月、6月、9月、12月 |
信託報酬手数料 | 年0.05%(20年7月現在) |
VEA:パフォーマンス実績
(%) | 年初来 | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
VEA | -24.01 | -15.80 | -2.37 | -0.56 | 2.76 |
市場平均 | -23.95 | -15.71 | -2.37 | -0.55 | 2.75 |
近年は米国のハイテクが株価を牽引していますので、米国以外の先進国は苦しい状況ですね。今後は日本やドイツを筆頭に、ものづくりのIoT時代に期待したいです。
新興国株(VWO)

全世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株に投資します。
主要な投資対象国は、ブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカ。今後の成長に期待する国々に投資をするETFです。ポテンシャルはピカイチと言ったところでしょうか。
三位の台湾セミコンダクターは半導体を作る企業です。世界の半導体工場と言っても過言ではないほど、同社の存在感は増してきています。
VWO:5年間のチャート
新興国は米国などの先進国の経済や金利に大きく影響される市場です。新興国市場にとって好ましい環境は長くは続きませんが、短期間に大きく花開き、また停滞…をくり返す市場です。
VWO:詳細情報
名称 | FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ・インデックス |
運用会社 | ザ・バンガード・グループInc. |
分配金 | 3月、6月、9月、12月 |
信託報酬手数料 | 年0.10%(20年7月現在) |
VWO:パフォーマンス実績
(%) | 年初来 | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
VWO | -24.55 | -18.41 | -2.75 | -1.13 | 0.34 |
市場平均 | -24.45 | -18.23 | -2.75 | -1.11 | 0.33 |
ここ10年は影を潜めていますね。しかし、さらに10年前はリターンを牽引していたことを考えると、世界分散の重要性が分かります。
米国債券(AGG)

AGGは、米国投資適格債券市場全般に投資します。
債券とは、国や企業がお金を借りたときに発行する借用書のような存在です。
満期になれば現金を返してもらうことができます。
また、満期前にお金に変えたい場合は、誰かに売り渡すこともできます。
性質としては、定期預金に近いけど、債券は投資先の国や企業を選ぶことができる点が特徴です。
AGG:信用格付の内訳
格付けランク | 保有比率(%) |
AAA | 68.95 |
AA | 2.85 |
A | 12.48 |
BB | 14.79 |
キャッシュ等 | 0.92 |
国や企業の発行する債券の信用力や支払い能力の安全性を総合的に分析しランク付けされたものです。
アルファベットで分別され、AAAが最高ランク、Cランクが最低ランクです。ランクが低いほどリスク、リターンともに大きい傾向があります。
信用格付がBBB以上の債券のことを投資にふさわしい債券、投資適格債といいます。
AGGは、最高ランクのAAAで資産価値を担保しつつ、AやBBBでリターンを少し狙った構成です。
AGG:5年間のチャート
債券は少しの値上がりと分配金の両方が期待できます。チャートは分配金を含んでいませんのでご注意ください。
現金に近い性質上、値動きはマイルドです。
AGG:相関係数

米国債券のメリットは、株式の値動きとの相関性が低く、価格の下落を補う役割をすることです。
- 1.0:純相関。同じ値動きをする
- 0.0:相関性なし。下落のクッションに。
- -1.0:真逆の相関(表にはありませんが)
相関性の低い資産どうしでリバランスをすることで、値上がりしたAGGを売って、値下がりしたVTIを買うなど、利益に貢献。そういう組み合わせなんです。
AGG:詳細情報
名称 | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF |
運用会社 | ブラックロックInc. |
分配金 | 毎月 |
信託報酬手数料 | 年0.04%(20年7月現在) |
ブラックロックはバンガードと肩を並べる資産運用会社で、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
AGG:パフォーマンス実績
(%) | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
AGG | 8.64 | 5.25 | 4.24 | 4.29 |
市場平均 | 8.74 | 5.32 | 4.30 | 4.44 |
今の米国10年債の金利は1.6%ですから、ランクBBや30年債などの債券を織り交ぜることで4%以上のリターンが出ているので十分期待に応えられています。
米国債券(AGG)はインフレに弱い。
お金に近い性質のため、ものの価値が上がると相対的にAGGの価値は下がる。
物価連動債(TIP)

米国のインフレ連動国債に投資します。
米国債券(AGG)の項では、インフレに弱いのが債券の特徴であることを紹介しました。
物価連動国債(TIP)は、債券の弱点を補う目的で発行されています。
物価が上がった時は債券の金利が上がり、価値も上がります。
物価が下がった時は金利が下がり、価値も下がります。
インフレに対する保険のような債券なのです。
TIP:5年間のチャート
TIP:投資対象の信用格付内訳
格付けランク | 保有比率(%) |
AAA | 97.17 |
キャッシュ等 | 2.83 |
米国政府が発行する物価連動国債に投資を行いますので、投資対象の格付けは全般AAAで構成されています。
また、この銘柄はリスク許容度1〜2を選択した場合に投資を行います。
リスク許容度3〜5は株式が主体、株式は基本的に物価に強い商品なのでTIPは選択されていません。
「リスク許容度1〜2の株式の代替品」と言えます。
TIP:詳細情報
名称 | iシェアーズ・コア 米国物価連動国債ETF |
運用会社 | ブラックロックInc. |
分配金 | 毎月 |
信託報酬手数料 | 年0.19%(20年7月現在) |
TIP:パフォーマンス実績
(%) | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
TIP | 8.32 | 4.94 | 3.64 | 3.39 |
市場平均 | 8.28 | 5.05 | 3.75 | 3.52 |
金(GLD)

経済低迷時や戦争のリスクが高まったときに好まれて価格上昇する商品です。貴金属としての用途や、発掘量に限りがあることから、一定水準以上の価値が保証されている安全資産でもあります。
相関係数が0.4ですから、株式や債券とはまた違う動きをするということです。
金自体はお金を生みませんから分配金が出ません。
また、現物の保管費用が掛かるため手数料が少し高めです。
昔から金は「有事の金」と言われていますね!GLDの金を保管している金庫はロンドンにあるみたい。
日本の東京証券取引所でも同じ銘柄が発売されています。銘柄コードは1326です。金だけ保有したいのであれば1326の保有がおすすめです。
GLD:5年間のチャート
GLD:詳細情報
名称 | SPDRゴールド・トラスト |
運用会社 | ワールド・ゴールド・トラスト・サービシズ・エルエルシー |
分配金 | なし |
信託報酬手数料 | 年0.40%(20年7月現在) |
パフォーマンス実績
(%) | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
GLD | 23.71 | 8.49 | 5.84 | 3.31 |
市場価格 | 21.34 | 7.63 | 5.42 | 3.11 |
一年間のリターンがすごく良いのは、コロナショック対策の金融緩和が原因です。お金をたくさん発行したために紙幣価値がさがっています。インフレヘッジが有効に作用しています。
不動産(IYR)

米国の不動産セクターに属する株式に投資します。
え?不動産?株式?どっちなの?
米国の不動産を運用する会社(日本で言えば三菱地所、三井不動産など)114社へ投資を行います。
株式とは言っても、業績は不動産に左右されますから、一般の企業とは違う値動きをします。
また、不動産投資は資産運用の王道のようなイメージもありますが、実物の資産は売却に苦労したり、管理の手間が掛かります。
その点、IYRのようなペーパー資産は実物を管理する必要がなく、流動性の高さを好む方も多いです。
IYR:5年間のチャート
IYR:詳細情報
名称 | iシェアーズ・米国不動産ETF |
運用会社 | ブラックロックInc. |
分配金 | 毎月 |
信託報酬手数料 | 年0.42%(20年7月現在) |
IYR:パフォーマンス実績
(%) | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
IYR | -7.19 | 3.03 | 5.85 | 9.29 |
市場価格 | -6.85 | 3.40 | 6.28 | 9.79 |
10年間のリターンは株式に次ぐ成果です。直近1年はコロナ禍により外出制限や、テナントの解約が続いたので、株価の戻りも鈍くなっています。
景気が良いと強く、悪いと弱い資産です。
まとめ
ウェルスナビが投資している銘柄7種類を紹介してきました。
- 株式、不動産はリターン追求資産
- 債券、金は安全資産
- 相関係数の低い組み合わせは相性が良い
銘柄の内容が分かると、日々のウェルスナビの画面を見るのが楽しくなってきますよ!
ウェルスナビは、投資はやりたい気持ちがあるけど投資銘柄を選ぶことができない方や、証券会社の口座開設ができない方には特におすすめの資産運用アプリです。
他にもウェルスナビの記事を書いています。