iDeCoをはじめて2年目、50万円を運用中
サラリーマンのたぴです。
金持ちになりたい、ひよ彦です。
日本始め私たちの住む人間社会は長寿命化の流れにあります。
長期化する老後にたいして従前の年金制度だけでは賄いきれない「2000万円問題」も話題に上がっています。
そんな環境の中、老後の資産形成が心配な気持ちから、初めてイデコの存在に触れた方も多いのではないでしょうか。
・イデコって何?
・どの位おトクになるの?
・運用ってどうやるの?
・年金の受け取り方法は?
私も始めるまではこのような質問を持ち、色々と学んだこともありました。
本ページではイデコの疑問を少しでも解決してもらうために作成しました。
閲覧いただいた方の資産形成の助けになれば嬉しいです。
❶イデコの制度・仕組み
❷掛け金と拠出時の節税
❸運用方法と運用益の節税
❹老後の受け取り方とその節税
イデコ(個人型確定拠出年金)とは?
たぴよ、街でよく聞くようになった「イデコ」って一体全体何なんだい?
ひよ彦も散財を止めて老後の資産形成を考えるようになったのかい?
正式名称はiDeCo(個人型確定拠出年金)と言うんだよ。
もうひとつの年金制度「iDeCo」
確定拠出年金法が基になっている
H29年から全ての20歳〜60歳未満の方が加入可能になった
公的年金と合わせて老後に豊かな生活をおくれるように設計されています。
イデコは公的年金とは違い、自己の責任において積立と運用を行うことになっています。
公的年金もGPIFが運用している!?
公的年金もGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって独自のポートフォリオ で運用されています。
皆さんの年金も実は資産運用で手堅く増やされているんですね。
ただし、公的年金は政府・日本年金機構の責任のもとに運用されています。
対して、イデコは前項で「自己責任」とお伝えした通り、加入した皆さんの責任で運用することになります。
そんな事言ったってよ、
自己責任じゃ怖いだろうよ・・・。
正しい投資対象で長期運用すれば元本を下回る可能性を限りなくゼロに減らせるんだよ。
イデコは節税効果も加わって更にお得になるんだ。
公的年金・・・日本年金機構の責任においてGPIFが運用
個人年金・・・個人の責任において本人が運用
イデコ専用口座
イデコは1人に対して1口座しか作れません。
必然的に証券会社も1社選ぶ事になります。
皆さんにとって唯一の証券会社、唯一のイデコ口座です。
証券会社毎に手数料、取り扱い商品や受け取り方法の選択肢が異なります。
また、イデコ口座に拠出した資金は60歳になるまで引き出せません。
途中解約は出来ませんので、イデコの制度を利用するかどうかは慎重に考えましょう。
◆ 作れるのは1人1口座まで
◆ 証券会社毎に手数料や取り扱い銘柄が異なる
◆ 60歳になるまでは出金できない
イデコの手数料
イデコのデメリットとして、口座の運用に手数料が掛かります。
手数料は以下の通りです。
加入時・移管時の手数料
個人型確定拠出年金に加入、または企業型確定拠出年金からの移管時に発生する費用です。
支払先 | 手数料 |
国民年金基金連合会 | 2,829円 |
月次手数料
月次手数料は掛け金を拠出している方と、拠出は停止し運用のみ行う人で手数料額が変わります。
▼掛け金を拠出している方
支払い先 | 手数料 |
国民年金基金連合会 | 105円/月 |
信託銀行 | 66円/月 |
金融機関 | ネット証券なら0円が主 |
合計 | 171円/月 |
▼運用指図者(掛け金を拠出していない方)
支払い先 | 手数料 |
国民年金基金連合会 | 0円 |
信託銀行 | 66円/月 |
金融機関 | ネット証券なら0円が主 |
合計 | 66円/月 |
給付手数料
給付手数料は、給付を受ける度に発生する費用です。
支払い先 | 手数料 |
信託銀行 | 440円/1回 |
移管時手数料
個人型確定拠出年金を利用中に別の金融機関へ移管する場合に、移管元の金融機関に対し発生する手数料です。
支払い先 | 手数料 |
移管元金融機関 | 金融機関ごと |
開設時手数料 2,829円/初回のみ
拠出中の月次手数料 171円/月
給付手数料 440円/1回
積み立て金額を決める 〜拠出時の節税〜
拠出可能額の確認
国民年金の種類(第1号、第2号、第3号)によって上限金額が設けられています。
自営業者・無職 | 68,000円 |
企業年金がない会社員 | 23,000円 |
公務員 | 12,000円 |
専業主婦 | 23,000円 |
拠出上限額は上記の通りに決まりますが、必ずしも上限まで拠出する必要はありません。
月々5000円以上から1000円単位で設定する事が可能です。
60歳まで出金出来なくなりますので、いくら所得控除が魅力的だとは言っても無理のない範囲での拠出を心掛けましょう。
掛け金が全額所得控除
イデコは掛け金の全額が所得控除されます。
比較対象として、生命保険や個人年金保険は支払い金額の全額が控除されるわけではないうえ、控除上限額も決められています。
イデコは積み立て始めた年から強力な節税メリットを受けることができます。
所得税の控除額
制度 | 掛け金 | 控除額 | 年額12万円掛けた場合の控除額 |
---|---|---|---|
個人年金保険 | 2万円以下 | 全額 | – |
2万円超4万円以下 | 保険料×1/2+1万円 | – |
|
4万円超8万円以下 | 保険料×1/4+2万円 | – |
|
8万円超 | 一律8万円 | 8万円 | |
iDeCo | 5,000円以上拠出限度額まで | 全額 | 12万円 |
住民税の控除額
制度 | 掛け金 | 控除額 | 年額12万円掛けた場合の控除額 |
---|---|---|---|
個人年金保険 | 1万2,000円以下 | 全額 | – |
1万2,000円超3万2,000円以下 | 保険料×1/2+6,000円 | – |
|
3万2,000円超5万6,000円以下 | 支払保険料×1/4+1万4,000円 | – |
|
5万6,000円超 | 一律2万8,000円 | 2万8,000円 | |
iDeCo | 5,000円以上拠出限度額まで | 全額 | 12万円 |
接税額はいくら?
(所得税率10%・住民税率10%)
課税対象の予定だった27万6,000円の20%分の税が非課税となります。
5万5,200円の節税効果です。
※企業型年金のない会社員が上限27万6,000円まで拠出した想定です。
政府が推進しているだけあって優遇されていることが分かるね。
俺の個人年金保険より優遇なのな・・・
ひよ彦、ちゃんと支払いできてるか・・・?
◆ 拠出上限金額は職業に依る。会社員は276,000円
◆ 掛け金の全額が所得控除される
運用する 〜運用益の節税〜
イデコ投資対象銘柄について
イデコの投資対象銘柄は主に2種類に分類されます。
- 価格が変動し元本が保証されない投資信託
- 価格が変動しない元本確保型の定期預金
長期的な利益が見込めるのは元本保証の無い投資信託ですが、リターンが多い銘柄ほど短期的な価格の変動が大きくなります。
対して元本保証の定期預金の銘柄では後述の運用益の非課税メリットが活かされません。
イデコは長期的な運用を想定された制度ですから、元本変動型の投資信託で増やす運用を行い、非課税メリットを活かしましょう。
対象銘柄35銘柄とデフォルト商品について
イデコは投資初心者が銘柄選定において悩んでしまわないように銘柄数を最大35銘柄としています。(現状35を超える場合は2023年までに削減の方針)
銘柄が少ないってデメリットじゃないのかい?
投資初心者にとっては優良商品に絞られている事がむしろメリットと言えるんだよ。
また、加入者が銘柄を選べないままとなってしまうことを避けるため、運用を指図されない場合は「指定運用方法(デフォルト商品)」が選択されます。
デフォルト商品は証券会社毎に「収益の確保」の観点から攻守にバランスのとれた銘柄に設定される事が多いようです。
長い付き合いになる銘柄だから、選定は自分自身で納得のいく銘柄を選びたいね。
運用益も非課税で再投資
株式や投資信託の資産運用は、通常の一般口座や特定口座では運用益の20%の所得税が掛かります。
しかし、イデコ専用口座では運用益が全て非課税になります。
利益がそのまま再投資に回せちゃうのね。
うん、そうなんだ。
所得税になるはずの20%分が利益に変わる。
この利益が翌年には更に利益を呼ぶんだ。
お金のことになると頭が冴えるね!
ポートフォリオを決める
ポートフォリオってなに?
ポートフォリオとは様々な分野で使用される言葉ですが、資産運用においては資産配分や銘柄配分の事を指します。
資産運用は利益が出る反面、評価が一時的にマイナスになることも珍しくありません。
銘柄ごとにリスクの低い商品やリターンを追求した商品もありますので、リスクはできる限り小さく保ちながら、希望するリターンを追求する組み合わせを目指しましょう。
資産運用デビューのポートフォリオ
とはいえ、投資をこれから始める方にとってはポートフォリオを考えるのは一苦労です。
iDeCoであれば1銘柄でも十分に分散性のある投資信託が揃っていますので資産の少ない時から無理をして複数の銘柄を選ぶ必要はありません。
分散性が高く、信託報酬の安い銘柄をひとつ選びましょう。
できれば先進国に分散投資を行う株式100%の銘柄が良いでしょう。
十分なリターンを追求できます。
少額から分散させる必要性は低いよ。
まずは投資したい投資信託をひとつ選ぼう。
◆ 運用で出た利益は非課税
◆ 運用指図を必ず行う(最初は1銘柄で十分)
◆ 投資は損をすることもある
受け取る 〜受け取り時の節税〜
一時金受取と年金受取が選べる
イデコの受け取り方法は主に2通りあります。
- 退職金のように一時金として受け取る方法
- 年金として分割で受け取る方法
選ぶ証券会社の規則にも影響されますが、この2通りの受け取り方を組み合わせて退職所得控除や公的年金控除を有効に使うことも可能となっています。
また、ご本人のライフプランによっては税金の問題はさて置き、柔軟に受け取る事ができます。
以下、こんな受け取り方を考えてみました。
受取パターン① 60歳一括受け取り
60歳一括受け取りは受給可能年齢になったらすぐに全額受け取ってしまう方法です。
退職金の少ない会社員や、全くない自営業者など、退職所得控除に余裕がある方に向いています。
イデコの口座維持費や受け取り手数料を極力減らしたい方にも良いでしょう。
おいらはこの受け取り方を推奨するぜ
受取パターン② 60歳で一時金受け取りと65歳から分割受け取り
この場合は、例えば退職と同時に退職所得控除を使い切る額だけ一時金受け取りし、残りは分割で年金として受け取る考え方です。
60歳で一定の資金が必要な場合もこの方法が向いています。
受取パターン③ 65歳から分割受け取り
定年後も65歳までは働きたい方は、65歳からイデコを受給する方法が向いています。
拠出した資金については受け取るまで運用し続けられますので、少しでも長く運用したい場合に向いています。
受取パターン④ 60歳退職後から65歳までの公的年金までのつなぎ
65歳からは公的年金だけで問題ない場合、退職から公的年金の受給開始年齢までのつなぎとして5年間で受給し切る方法も考えられます。
番外 障害給付金
障害給付金はライフプランとしては避けたい受給方法となりますが、簡単に概要を把握しておく必要があるでしょう。
傷病等によって高度障害の要件に該当することとなった場合は障害給付金の支給を請求することが可能です。
支給要件について
- 政令で定める程度の障害の状態となった場合、「障害認定日」から70歳の誕生日の2日前までの期間内において、障害給付金を請求することができます。
- 「障害認定日」とは、病気またはケガによって初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)から起算して1年6ヶ月を経過した日(その期間内に傷病が治った場合はその日)のことをいいます。
- 「政令で定める程度の障害の状態」とは、次のような状態をいいます。
- (1)障害基礎年金の受給者(1級および2級の者に限る)
- (2)身体障害者手帳(1級~3級までの者に限る)の交付を受けた者
- (3)療育手帳(重度の者に限る)の交付を受けた者
- (4)精神保健福祉手帳(1級および2級の者に限る)の交付を受けた者
JIS&T公式サイト引用
番外 死亡一時金
ご本人が亡くなった場合は、遺族の方に一時金として全額払い戻しとなります。
死亡一時金もライフプランとは無縁ですが、受取人となる大切な方への周知をさせておきましょう。
順位 | 法令に基づく受取人 |
---|---|
1 | 配偶者(死亡の当時、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む) |
2 | 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって、死亡の当時、主としてその収入によって生計を維持していた者 |
3 | 2の者のほか、死亡の当時、主としてその収入によって生計を維持していた親族 |
4 | 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって、2に該当しない者 |
JIS&T公式サイト引用
加入期間と受給開始可能な年齢
10年以上 | 60歳 |
8年以上10年未満 | 61歳 |
6年以上8年未満 | 62歳 |
4年以上6年未満 | 63歳 |
2年以上4年未満 | 64歳 |
1ヶ月以上2年未満 | 65歳 |
受け取り時の節税
受け取り方には大きく分けて2種類の方法がありますが、それぞれ所得控除が効きます。
年金として受け取る場合
年金として分割で受け取る場合は公的年金控除が適用されます。
公的年金控除の額は年齢によって変わります。
65歳未満・・・控除額70万円
65歳以上・・・控除額120万円
公的年金の額や、働く年齢との相談になります。
また、取り崩しには手数料も発生しますので、少額を長い期間受け取り続ける場合はデメリットになりかねません。
先の事とは考えずに、おおよそのプランを立ててから加入しましょう。
一時金で受け取る場合
退職所得控除が適用されます。
退職所得控除は勤続年数(専業主婦の場合はイデコ積立年数)によって変動します。
勤続年数20年以下・・・退職所得控除=40万円×勤続年数
勤続年数20年超・・・退職所得控除=70万円×(勤続年数-20年)+800万円
退職所得控除を上回った額は分離課税の対象となります。
課税退職所得金額 = iDeCo一時金 ー 退職所得控除 × 1/2
所得税 = 課税退職所得金額 × 所得税率
所得税率は以下の通りです。
課税退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から 3,299,000円以下 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
国税庁サイトより引用
まとめ
イデコの仕組みや節税について、いかがでしたか?
うまく活用すれば非常にメリットの大きい制度ですので、特にデメリットを正しく理解して「こんなつもりではなかった」ということが無いように有効活用しましょう。
最後にメリットとデメリットをまとめておきます。
拠出額の全額が所得控除される
運用益は全て非課税
受け取り時は退職所得控除または公的年金控除を受けられる
60歳まで拠出金の払い出しが出来ない
一時的な評価はマイナスになることもある
拠出時、運用時、受け取り時にそれぞれ手数料が発生
おいらも一発挑戦してみるか_(┐「ε:)_