FRBは10日、3月以来見送っていた経済見通しを発表しました。
「景気は非常に長い期間回復しない」
また、今年10月-12月の失業率を9.4%と予想。
2022年末に5.5%まで下がると見ています。
新型コロナの悪影響がなかった場合の試算では4.1%であるため、2年後でもなお回復し切らない事になります。
FRBはこの予想を理由に2022年末まで金利をゼロ近辺に留めるとの見解を示しました。
金利が下がると株価が上がる理由
では、金利が上がると株価が上がるのは何故でしょうか。
主には2つ理由があります。
借り手が増えて消費が経済を回すから
金利が下がると企業や個人がお金を借りやすくなります。
設備投資投資やマイホームなどに資金が振り向けられ、経済が回り始めます。
企業の業績見通しも良くなり、更に設備投資が活発になります。
給与やボーナスも増えて更に消費が増えます。
企業の業績が株価に反映されていくわけです。
債券の利回りと株の利回りが比較されるから
投資家目線では次のようになります。
簡単に言えば、リターンを得る上で債券だろうが株だろうが、最低のリスクで最高のリターンを得たいわけですよね。
皆さんも投資対象は手段でしかありませんよね。
そうした時に、債券と株の利回りは比較されます。
株のリターンは次の式で表せます。
一株当たりの株主総利回り(%)=(値上がり益+配当金)÷株価
同じ利回りを得るために出資する金額が上昇すれば、運用効率は下がります。
出資する金額というのが株価に当たりますね。
債券の金利が低いなら、株の利回りが低くてもしょうがない、または高くても株の方がメリットがある、という事になり割高でも株は売れていくのですね。
以上の理由により金利が下がると株価は上がるという仕組みになっています。
新型コロナウイルスの見通しについて
ここからは私たぴの見解です。
新型コロナウイルスによる「何でもかんでも自粛」とその影響はいつまで続くのか?
FRBは2022年末までは経済低迷は続くと強気の姿勢ですね。
私は集団免疫の獲得、またはワクチンの開発状況次第だと思っています。
現在は米バイオテクノロジー会社のモデルナが一番手となっていますね。
現在は第二相試験という限られた人数の治験を行なっており、来月には最終段階の第三相試験で数万人規模の治験を行う計画です。
ところが、第二相試験をめでたく通過できたとしても、第三相試験で新たな問題が発生することも多々あります。
大多数への配布に耐えうるワクチンを作るためには、それに沿った人数の治験が必要ということになりますね。
先手のモデルナで成功すれば、年内には目処が付きそうなスケジュール感ですが、果たして上手くいくのでしょうか。
モデルナの期待が失望に変われば、モデルナ株だけでなく、米株式市場全体にも影響が出るかもしれませんね。
また、もしバイオテクノロジーや製薬各社のワクチンの開発がいつまで経っても成果を上げない場合は、人間の免疫力が集団免疫を獲得して、過去のSARSやMARSなどのようにCovid-19を駆逐する事になるのでしょう。
今後の展開:もみ合い相場
私たぴは、今後の株価は、金利低下により下値は底堅さを示しつつ、経済見通しの不安感から上値も抑えられ、もみ合いの展開が続くと予想しています。
6/11のようにVIX指数が急増する場合もあり、マーケットは敏感になっていますから、ボラティリティの高さも一定水準維持されるのではないかと思います。
その他、株価に影響がありそうなイベントとしては、秋の大統領選や第3クオーターの決算が待っていますね。
いずれにしても、2022年より前に状況を変える事ができるのはワクチンの完成ではないでしょうか。
暫くは高いボラティリティが続くと思います。
投資家は、ボラティリティの波に乗って上手く買い向かいましょう。
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